コラーゲン・エラスチン・幹細胞を美容薬剤師が解説

「最近、肌にハリがなくなってきた気がする…」そう感じたとき、まず思い浮かぶのがコラーゲンという言葉ではないでしょうか。

でも実は、肌のハリを支えているのはコラーゲンだけではありません。コラーゲン・エラスチンという2つの材料と、それを生み出す幹細胞の3つが"チームで"働いているからこそ、ふっくらとしたハリが生まれます。

美容薬剤師として日々お客様の肌と向き合う中で、この3つの関係を正しく理解している方がとても少ないと感じています。今回はできるだけわかりやすく、丁寧に解説します。


まず「ハリはどこで作られる?」を知ろう

肌は大きく2つの層に分かれています。目で見える表面が表皮、その下にあるのが真皮です。

ハリや弾力を実際に生み出しているのは、この真皮です。

真皮のイメージは、スポンジのようなふわふわしたクッション。このクッションがしっかりしていると、肌はふっくらとしてハリがある状態に。クッションがへたってくると、シワやたるみが出てきます。

このクッション構造を作っているのがコラーゲンとエラスチン。そしてその2つを生み出す源となるのが幹細胞です。


主役① コラーゲン——肌の「骨格」

コラーゲンは、真皮の乾燥重量の約70%を占めるタンパク質です。

イメージするなら建物の柱や骨組み。引っ張りに強く、肌の形をしっかり支える役割を持っています。

このコラーゲンを作っているのが、真皮の中にある線維芽細胞という細胞です。ところが、20代をピークに線維芽細胞の働きは年々落ちていき、コラーゲンの産生量も少しずつ減っていきます。

さらに、毎日紫外線を浴びていると皮膚の中で分解酵素が増え、コラーゲンがどんどん壊されていくことも研究で明らかになっています。

つまりコラーゲンは**「加齢と紫外線で減る一方になりやすい成分」**。だからこそ、いかに分解を防ぎ、産生を促すかがスキンケアの大きなテーマになっています。


主役② エラスチン——肌の「バネ」

コラーゲンが「骨格(強さ)」なら、エラスチンが担うのは**「バネ(弾力)」**です。

コラーゲン線維をつなぎとめて、肌が引っ張られても元に戻る性質を与えています。

エラスチンで特に知っておきたいのが、その再生のしにくさです。エラスチンは赤ちゃんのうちに集中して作られ、その後は加齢とともに壊れていくだけで、基本的に新しくは作られないとされています。

しかも、エラスチンが減るとコラーゲン線維の立体的な網目構造も崩れることが研究でわかっています。エラスチンはコラーゲンをつなぎとめる「接着剤」のような役割も持っているからです。

エラスチンは一度失うと取り戻しにくいからこそ、今あるものを守るケアが特に大切な成分です。


主役③ 幹細胞——コラーゲンを作る「工場の親玉」

コラーゲンやエラスチンを作っているのは線維芽細胞ですが、その線維芽細胞を生み出す源が真皮幹細胞です。

わかりやすく言うと、こんな流れです。

真皮幹細胞 → 線維芽細胞を生み出す → コラーゲン・エラスチンを作る → ハリが生まれる

幹細胞は「工場を動かす親玉」のようなもの。親玉が元気でなければ、工場(線維芽細胞)は動かず、製品(コラーゲン・エラスチン)も作られません。

資生堂の研究では、真皮幹細胞に働きかけることで線維芽細胞を活性化し、良質なコラーゲンをつくり続けられることが確認されています。つまり幹細胞は、ハリ対策の一番上流にある根本的なカギなのです。


3つは「チーム」で動いている

この3つは、バラバラに働いているのではなく、互いにつながったシステムです。

✔ 幹細胞が元気 → 線維芽細胞がしっかり補充される ✔ 線維芽細胞が元気 → コラーゲン・エラスチンが産生される ✔ コラーゲン × エラスチンが揃う → 真皮のクッション構造が保たれる ✔ クッション構造が保たれる → 肌のハリ・弾力が維持される

どこか1つが崩れると、ハリは失われます。「コラーゲンを塗れば解決」とはならない理由がここにあります。


Pharm.D facial salon
として大切にしていること——「守る」と「育てる」

肌のハリを保つためにできることは、2つに集約されます。

✔ 壊さない(守る) 紫外線はコラーゲンを分解する最大の原因。日焼け止めを毎日使うことは、最もエビデンスの高いエイジングケアです。

✔ 育てる(産生を促す) ビタミンC誘導体はコラーゲン合成をサポートし、レチノールは線維芽細胞の活性化に有効とされています。そして忘れてはいけないのが幹細胞へのアプローチ。幹細胞を活性化することで線維芽細胞の供給が増え、コラーゲン・エラスチンの産生力そのものが底上げされます。成分を正しく選び、真皮環境を継続的に整えることが長期的なハリにつながります。

過剰な施術に頼らず、肌本来の「つくる力」を引き出すこと——それが私の考える育てる美容です。

ご自身の肌に合ったケアを一緒に考えたい方は、ぜひサロンへご相談ください。