「石油系合成界面活性剤」かもしれません
「毎日保湿しているのに、なぜか乾燥が改善しない」 「スキンケアをがんばるほど、肌がどんどん乾いていく気がする」
そんなお悩みを持つ方が、サロンには後を絶ちません。 実はこれ、スキンケアの努力が足りないのではなく、使っている化粧品に含まれる石油系合成界面活性剤が原因になっているケースが非常に多いのです。
薬剤師として成分を読み解き続けてきた私が、そのメカニズムをわかりやすくお伝えします。
そもそも界面活性剤とは?
界面活性剤とは、「水と油を混ぜ合わせる」働きを持つ成分のこと。 洗浄・乳化・浸透などの役割があるため、クレンジング・洗顔料・乳液・クリームなど、ほとんどの化粧品に配合されています。
その中でも特に問題とされているのが、石油を原料として人工的につくられた石油系合成界面活性剤です。代表的な成分名としては「ラウリル硫酸Na」や「ラウレス硫酸Na」などがあります。
洗浄力が高く使い勝手がよいため、コスト重視の化粧品に広く使われていますが、その強さゆえに肌へのダメージも無視できません。
石油系合成界面活性剤が乾燥を悪化させる3つの理由
① 皮脂膜・セラミドまで洗い流してしまう
私たちの肌の表面には、汗と皮脂が混ざり合ってできた「皮脂膜」という天然のクリームが存在します。これが外部刺激から肌を守るバリアの役割を担っています。
石油系合成界面活性剤は洗浄力が非常に強く、メイクや汚れだけでなく、この皮脂膜も一緒に溶かして流してしまいます。 さらに、角質層の水分保持に欠かせないセラミド(脂質成分)まで奪ってしまうことがわかっています。
バリアが壊れた肌は、外からの刺激を受けやすくなるだけでなく、内側からの水分も蒸発しやすくなる——これが乾燥悪化の根本的なメカニズムです。
② 洗い流しても肌に残り続ける
石油系合成界面活性剤には「高い残留性」という特徴があります。 洗い流した後も、成分が角質層に残りやすく、時間をかけてじわじわと肌にダメージを与え続けます。
「洗った後はちゃんと流しているのに…」という方も、実は成分が残り続けている可能性があるのです。
③ 有害物質の通り道をつくってしまう
バリア機能が壊れた状態に、石油系合成界面活性剤の「高い浸透性」が重なると、本来は肌に入り込めないはずの物質まで皮膚の奥へ浸透しやすくなります。
化粧品に含まれる香料・防腐剤・色素なども、バリアが壊れていれば肌の内部に届いてしまう可能性が出てきます。これが繰り返されることで、乾燥が悪化し、シミ・シワ・肌老化へとつながるリスクが高まります。
美容薬剤師の視点:細胞の「終活」を邪魔している
薬剤師として成分を見てきた私の視点から、もう一歩踏み込んでお伝えします。
肌のキメやツヤは、「皮膚細胞がどのように死んで、角質層になるか」によって決まります。 皮膚細胞は分裂を繰り返しながら表面に上がり、最終的に死んで角質となります。この「細胞の終活(死のプロセス)」が正常に行われると、角質層はキメ細かく均一に整い、光を均一に反射することでツヤのある肌が生まれます。
ところが、石油系合成界面活性剤が毎日繰り返し使われることで、このプロセスが乱されます。 結果として角質層に隙間や凹凸が生じ、光の反射がバラバラになり、ツヤがなく、くすんで乾いた肌になってしまうのです。
スキンケアを頑張るほど乾燥する方の多くは、この悪循環に入り込んでいます。
今すぐできること:まずは「抜く」ことから始める
改善のファーストステップは、石油系合成界面活性剤を含む化粧品を「抜く」こと。
特に見直してほしいのがクレンジング剤です。 オイルクレンジングは一見ナチュラルに見えても、多くの製品にはオイルと石油系合成界面活性剤が組み合わせて配合されています。成分表示で「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」「PEG系成分」などが並んでいたら、切り替えを検討しましょう。
当サロンでは、石油系合成界面活性剤を使わない製品を厳選してご提案しています。 細胞の健全な終活を邪魔しないスキンケアを選ぶことが、10年後も続くツヤ肌への近道です。
まとめ
乾燥肌が改善しない原因は、スキンケアの量や頻度ではなく、使っている製品の成分にあるかもしれません。 石油系合成界面活性剤がバリア機能を壊し、肌の自然なサイクルを乱し続けている限り、どれだけ保湿しても焼け石に水です。
まずは手元の化粧品の成分表示をチェックしてみてください。 「抜く」という選択が、肌の本来の力を取り戻す第一歩になります。

